「ピアノ教室チャイム」という名前を、はじめて聞いたとき、どんな印象を持ちましたか?

この名前には、ちょっとした物語があります。

出張ピアノ教室から始まった、チャイムの名前の由来

今から10年前、私がピアノ教室を始めたとき、教室という「場所」はありませんでした。レッスンバッグを持って自転車に乗り、生徒さんのお宅を一軒一軒まわる「出張ピアノ教室」でのスタートでした。

その頃、毎回レッスンに伺うときに必ずすることがありました。玄関のチャイムを鳴らすこと。

ピンポーン。

その音が聞こえると、中から「先生来た!」という声とともに、パタパタと足音が近づいてくる。ドアが開いた瞬間の、子どもたちの嬉しそうな顔。それが私にとって、毎週の楽しみでした。

チャイムを鳴らす音に、「レッスンが始まるワクワク感」を込めて。それがこの教室の名前の由来です。

ピアノの上手い下手ではなく、「先生が来た、弾きたい!」という気持ちを、ずっと大切にしていきたい。その思いは、10年経った今も変わっていません。

物件を探して、たどり着いたのが「用賀」だった

出張スタイルで続けていくなかで、「自分の教室を持ちたい」という気持ちが少しずつ強くなっていきました。物件を探し始め、いくつか見て回るうちに出会ったのが、用賀の場所でした。

正直、最初から「用賀で開きたい」という強い思いがあったわけではありません。縁あって物件が見つかり、「ここだ」と感じた。それが用賀という街との出会いです。

でも今では、用賀という街がとても好きです。落ち着いた住宅街でありながら、商店街には温かみがあって、小さな子どもを連れたファミリーも多い。ピアノを習い始める年齢のお子さまたちが、自然と集まってくる街だと感じています。

3歳だったあの子が、今は高校生になった

10年続けてきて、いちばん実感するのは「時間が経つのは本当に早い」ということです。

今から10年ほど前、3歳のときに体験レッスンにいらしたお子さまがいました。ピアノの前に座っても足が届かなくて、椅子の高さをいちばん高くして、それでもまだ少し届かなくて。でも鍵盤に触れた瞬間の顔が、忘れられません。

そのお子さまが今、高校生になって、まだ通ってくれています。それも一人だけでなく、数名。

小さな頃から一緒に積み上げてきた時間は、どんな言葉よりも重いものがあります。その子たちが今でも「ピアノが好き」でいてくれること。それが私にとって、何よりの励みです。

昨年、グランドピアノのある教室へ。新しいステージへ

昨年、用賀駅北口から徒歩3分の場所に移転しました。それまでの場所も大切な思い出がありますが、新しい教室にはグランドピアノが入りました。

グランドピアノで弾く音は、アップライトとは響きがまるで違います。鍵盤のタッチも、ペダルの感触も。「ピアノってこんな音がするんだ」と、改めて感じてもらえる音です。

生徒さんたちが新しい教室に来て、グランドピアノを前に少し緊張した顔をするのを見るたびに、「この場所を作ってよかった」と思います。

次の10年へ。チャイムが目指す教室のかたち

これから先の10年で、大切にしていきたいことがあります。

ひとつは、地域に根ざした教室であり続けること。用賀や世田谷区のファミリーに、「近くにいい先生がいる」と長く思ってもらえる存在でいたい。

もうひとつは、弾きたい音楽を弾ける教室にすること。クラシックはもちろん、好きなアニメの曲、弾いてみたいJ-POP、憧れのジャズ。「これが弾きたい」という気持ちを出発点にしたレッスンが、長く続けるいちばんの理由になります。

10年前、一軒一軒チャイムを鳴らして始まった教室が、今ここにあります。これからも、ドアを開けた先にワクワクが待っている場所であり続けたいと思っています。

用賀でお待ちしています。

ピアノ教室チャイム 代表 佐藤ゆか